確信犯の差別行為をやめさせるため
「説示」以上の対策を
東京法務局交渉


東京法務局交渉

 都連は8月24日、東京法務局に要望書を提出し交渉を持った。東京法務局からは人権擁護部舟山第1課長、相川第2課長らが、都連からは飯塚委員長はじめ各支部から9名が出席した。都連からは、部落差別撤廃に向けた東京法務局の基本方針、インターネット上の差別事件の根絶に向けて、差別身元調査の根絶にむけて、部落差別撤廃にむけた啓発、研修などについて要望し、東京法務局が各要望事項に回答した。

 「基本方針」について東京法務局は「これまで『部落差別(同和問題)を解消しよう』を啓発活動強調事項の一つとして各種人権啓発の活動を実施しているとともに人権侵犯事件として事案に応じた適切な措置を講じてきた。引き続き部落差別の実態に係る調査結果報告書において明らかになった部落差別の実態を踏まえ、啓発、相談、調査救済、各方面から取り組んでいく」と回答した。

 東京法務局が2021年中に取り組んだ「人権侵犯事件」のうち「同和問題に関するもの」は、取扱件数47件の内、処理件数は45件(説示41件、要請3件、打切り1件)だったことについて、取り扱いはすべてインターネット事案であり、例え削除されなくても「説示」などの措置(取り組み)をしたことで「処理済」の扱いになっていることが分かった。「部落探訪」など約7年も放置され拡散し続けている事案等に対しては、「もはや説示には応じない確 信犯であり、「説示」以上の「勧告」とか「通告」とかいう措置に踏み切ることも含めて差別行為をやめさせる対策を講じるよう強く要請した。

 また、インターネット上の差別事案について、東京法務局に都区市町村から削除依頼がされているが、事案に対する東京法務局の見解、削除に向けた取り組み経緯、取組結果について、都区市町村に報告すべきではないかという要求について、「該当の市区町村から問い合わせがあれば何らかの回答をしている。引き続き、問い合わせがあれば適切に対応していく」と回答した。

 さらに、戸籍謄本等不正取得事件にかかわって、司法書士、行政書士など8士業は、興信所等の調査会社からの依頼により、職務上請求書を使用し第三者の戸籍謄本の写し等を入手することは、不正使用に該当するので、絶対に依頼に応じてはならないという認識を確認した。