都連は8月25日、東京法務局に要望書を提出し交渉を持った。東京法務局からは人権擁護部高橋第1課長、相川第2課長らが、都連からは藤本委員長はじめ三役が出席した。都連からは、部落差別撤廃に向けた東京法務局の基本方針、インターネット上の差別事件の根絶に向けて、部落差別撤廃にむけた啓発、研修、「依命通知 」(2018年12月27日に発布)で記述されている「本来的にあるべからざる属性」の意味などについて要望し、東京法務局が各要望事項に回答した。
「基本方針」については、「部落差別の解消は強調事項として啓発を実施してきた。また、人権侵犯事件として事案に応じて適切な処置を講じてきた。部落差別の実態を踏まえ啓発、相談、調査、救済など人権侵犯事案に取り組んでいく」と回答した。
ネット上の差別事件の根絶に向けては、「一般論として特定の地区が同和地区である、またはあったとする情報がインターネット上に書き込まれている情報を関係機関による通報などで認知した場合、人権侵犯事件として調査を行い事案に応じて措置を行っているが、依命通知などに基づき今後も適切に対応していく」、また、「削除要請に応じていただけないケースもある中で、YouTubeのサービスである『YouTube 公認報告者プログラム』に法務省人権擁護局が参加したところである」と回答。YouTubeのコミュニティーガイドラインに部落差別の禁止を追加するようGoog le合同会社へ働きかけていただきたいという要望については「上級機関である法務省に伝える」と答弁。
「依命通知」の「本来的にあるべからざる属性」の意味については、「政策的人為的に創出された属性であり本来このような差別があってはならないという意味であり、部落や部落差別の当事者が存在しないといったことを意味するものではない。同和対策審議会答申の定義との矛盾はない」と回答した。