第51回多摩地区各市町村同和問題意見交換会が11月10日、あきる野市役所で開催された。コロナ禍で、2回の中止、書面開催、オンライン開催と続いたが、3年ぶりの対面開催となった。
開会にあたって幹事のあきる野市の中嶋博幸・市長からあいさつがあった。都連からは飯塚康浩・執行委員長、宮瀧順子・国立支部長があいさつをした。
続いて、近藤登志一・都連書記長が問題提起を行なった。栃木県行政書士戸籍謄本等不正取得事件および示現舎による「部落探訪」について実態を報告し、日常の中で差別の被害者がいることを行政担当者が認識することの大切さを訴えた。具体的には本人通知制度やインターネットモニタリング事業の取り組みを早急に始めるよう要請した。
各市町村からは、今年度実施の市民対象および職員対象の啓発事業や研修について報告があった。市民向けでは、人権週間にパネル展を実施する自治体が多かった。国分寺市では、昨年「すべての人を大切にするまち宣言」を制定し、今年記念行事を行う。国立市では、12月いっぱいを「人権月間」として取り組み、映画『破戒』の上映を行なう。国立市は登録型本人通知制度を10月から開始しており、インターネットモニタリング事業も検討している。職員向け事業では、各市町村とも職員研修所や東京都の研修も活用して、職員研修が行なわれていた。
最後に平井明・都連執行委員が、「世界人権宣言から70数年、全国水平社設立から100年経ったが、日本の人権状況は世界ランキングでは後進国だ。市民の人権を保障するのは行政の責務。今日の内容を部内で活かしてほしい」とまとめた。