同和問題に関する東京都との連絡協議会が11月28日、都庁会議室で開催された。東京都は川上総務局理事をはじめ9部局が、都連は飯塚委員長はじめ執行委員15名が出席し、基本方針、インターネット対策、教員含めた職員研修、都営住宅承継問題、「裏アカウント調査」問題、東京水道㈱個人情報漏洩問題などについて協議した。
部落差別撤廃に向けた「基本方針」について東京都は、東京都人権施策推進指針、部落差別解消推進法、東京都人権尊重条例に基づき、引き続き同和問題の解決に向けた取り組みを推進していくと回答した。
東京都人権尊重条例の施行5年、その成果や効果について、都は「人権に関する都民の意識調査」を8月に実施し12月に公表を予定しており、調査結果を踏まえ啓発をはじめとする人権施策や各事業の充実を検討していくと答弁した。
インターネット上の被差別部落のアウティングに対する対策については、東京法務局に削除要請しても未だ削除されていない案件があり、都は「再度削除要請する」と回答した。また、新たな取り組みとして、プロバイダ事業者等に対して、11月に「安心ネットづくり促進協議会」のメールマガジンを通じて都の施策の情報発信をおこなったことが報告された。
同和問題に対する誤った認識が一部の教員に存在することを踏まえ開始した「全教員を対象とした部落問題に関する校内研修」の実施状況について、教育庁は、「人権教育プログラム」(2021年度版)で校内研修の内容を紹介し、管理職等を対象とした人権教育研究協議会等でその活用を促している、今後とも校内研修の必要性について周知を図っていくと答弁した。
労働対策としては、大卒者の採用選考にかかわる通報制度の確立を要求し、産業労働局は、通報スキームなどが各大学のキャリアセンターへの更なる周知が図られるよう大学職業指導研究会へ協力を依頼することを検討していると回答。
また、企業によるSNS・裏アカウント調査については、その実態が不透明であるため、調査の違法性を判断することは難しいが、調査の内容の中で思想や信条など採用選考に必要のない情報を調べている場合は問題があると考えるとし、引き続き、職安法5条の5と労働大臣指針について様々な機会を通じて普及啓発を図っていくと答弁した。
生活対策として都営住宅の継承権について、住宅政策本部は、使用承継の範囲を原則配偶者またはパートナーシップ関係の相手方、さらに特に居住の安定に配慮すべき高齢者、障がい者、病弱者には使用承継を認めている、長期引きこもりや病弱者などの方については区市の福祉部門と連携し専門的な知見もいただきながら丁寧に対応していると回答した。
東京水道㈱社員による顧客情報の漏洩問題について人権部は、政策連携団体を所管する局から各団体に対して、「人権・同和問題研修」の実施及び充実について依頼することを働きかけていると答弁した。