「同和問題に関する東京都との連絡協議会」が4月24日、都庁会議室で開催された。都は9部局が参加した。都連からは執行委員16人が出席した。
「協議会」は冒頭、箕輪総務局理事、都連藤本委員長から挨拶があった。箕輪総務局理事は、東京都人権条例に明記しているいかなる種類の差別も許されないという理念と部落差別の解消の推進に関する法律にもとづき同和問題の早期解決をはかるため必要な措置をはかっていくと述べた。挨拶の後、都から2019年度事業予算の説明を受け質疑に入った。
部落差別解消推進法の実態調査について、都は「国からの調査要領に基づき正確で洩れなく詳細な調査報告を実施していきたいと考えている」と答弁した。
「都人権条例」の都の責務として明記されている「必要な取組の推進」の内容については、「人権指針」に明記している17の人権課題それぞれの方向性について実施することだと述べた。
インターネットモニタリング事業の実施要求について、都はまずネット上で部落差別の現実を認め、拡散を防止していくことが重要であるという認識を示した。しかし、モニタリング事業の実施については、根拠や目的の明確化、差別書き込みの判断基準の全国統一化、憲法に掲げる表現の自由に配慮し慎重な判断が必要などを理由に検討しているという回答にとどまった。
この都の回答に対して、法務省の人権侵犯事件調査処理規程においてもネットの差別情報の収集を実施していること、また、都教委も学校非公式サイトの監視を実施していることなどを都連から示し、都は「モニタリングは行政にできない事業ではない」と答弁し、引き続き協議していくことを確認した。
「部落探訪」ユーチューブ版や土地差別調査を煽る差別動画について、都は東京法務局に口頭で削除要請したと回答したことについて、都連からは部局長名の文書で削除要請するよう要求し、都は、文書要請も含めて検討すると回答した。
また、「部落探訪」は複数の区市町村に関係しており「人権侵害事件に対する取組についての(都区市町村)申合せ」に従って対応するよう要求した。さらに、土地差別調査がネット上に拡大している現状を踏まえ、住宅政策本部に対して宅地建物取引業者に対する「指導及び監督処分基準」を改正し土地差別調査を禁止事項に加えるよう要請した。
その他、人権教育プログラムにある人権課題「同和問題」を学校全体として取り組む具体策について、工業用水道事業の廃止にともなう皮革関連業界に対する支援策について、TPP、EUとのEPA締結にともなう皮革関連業界への支援策について、公正採用選考の徹底に向け50人以下企業への周知について、「就職差別解消シンポジウム」の賛同団体の拡大について、それぞれ協議した。