ネット対策について新たな取り組みを年度内に検討と回答
同和問題に関する東京都との連絡協議会


同和問題に関する東京都との連絡協議会

 同和問題に関する東京都との連絡協議会が4月28日、都庁会議室で開催された。東京都は川上総務局理事をはじめ8部局が、都連は藤本委員長はじめ執行委員14名が出席した。

 差別の現実に対する認識とそれを踏まえた部落問題解決に向けた方針について、都は「同和問題の解決は重要な課題である」「東京都人権施策推進指針、東京都人権尊重条例、部落差別解消推進法に基づき取り組みを推進していく」と答弁した。

 「東京都人権尊重条例」に差別禁止条項を追加する条例改正要求に対して都は、「東京都人権尊重条例」では「様々な人権に関する不当な差別を許さないとの姿勢を改めて明確にした」と回答した。都連からは、「東京都新型コロナウィルス感染症対策条例」第4条3において「~不当な差別的取扱いをしてはならない」、また「東京都人権尊重条例」第4条においても 都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」と禁止条項を設けている。新型コロナ差別やセクシュアルマイノリティに対する差別のみ禁止条項を設けるのは人権政策において整合性がとれていない表れであり、あらゆる差別を禁止する条項を設ける必要があると訴えた。

 インターネット上の差別事件に対する対策について、都は、「インターネット上の差別書き込みや同和地区に関する情報などがインターネット上に流布される状況は、大変深刻な問題でありその拡散を防止していくことが重要」と認識を示し、①インターネットの利用にあたっての啓発推進、②悪質な差別書き込みについて東京法務局に対してプロバイダへ削除要請をおこなうよう依頼、③法務省、総務省に対しインターネット上の人権侵害等への対策強化について要望していると回答。都連から「部落探訪」は2015年12月から開始され未だ削除されないまま拡散され続けている、都内では14区市にかかわる20地区が暴かれており都として新たな対策が必要ではないかという要求に対して、都はインターネット上の差別書き込み等の解消に向け新たな取り組みを年度内に実施する方向で検討していると回答した。

 労働対策では、就職差別の撤廃にむけ採用選考時の説明会や面接時において「CSR公正な採用選考の実現リーフレット」を活用し法令遵守事項を説明する取り組みを周知させることについて、都は、「就職差別解消シンポジュウム」で「リーフレット」を配布している。また、東京労働局と相談していくとともに関係団体とそれぞれの立場を尊重した協力関係を築き、引き続き当該事業を推進していくと回答した。

 教育対策においては、部落問題について誤った認識が一部の教員にあることを踏まえ、全教員を対象とした校内研修の実施状況とその評価、今後の継続した取り組み案について、都は、校内研修については、校長・副校長を対象とした人権教育研究協議会等において効果的な校内研修を行う意義について周知した。併せて区市町村教育委員会の指導主事等を対象とした連絡会でも周知した。今後とも同和問題について正しい理解と認識を深めるための校内研修の必要性について周知を図っていくと回答した。