推進法と人権条例の具体化として
モニタリング事業の実施などを要望


 部落解放・人権政策確立要求東京実行委員会は3月4日、東京都に「部落差別解消推進法」と「東京都人権条例」を踏まえた部落解放・人権政策確立にむけた要望書を提出した。提出行動には、東京実行委員会から臼井会長をはじめ11人が参加し、東京都は仁田山人権部長が対応した。

 「要望書」は、第1に部落差別の解消の推進に関する法律(以下「部落差別解消推進法」)が成立し丸2年が経過し、国ではようやく実態調査の実施にむけた準備が進んでいること、第2に昨年10月15日、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例(「以下「都人権条例」」が施行され、「いかなる種類の差別も許されないという、人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透した都市となること」を目的とし、「必要な取組を推進する」と都の責務を定めたこと等の状況を踏まえて提出された。

 「要望書」では、①「部落差別解消推進法」の具体化、特に、実態調査について、東京都及び東京都教育委員会が国に報告する「部落差別事例」について、詳細で正確な報告をすること。②「都人権条例」の第1章の具体化にむけ、「基本方針」の策定など「必要な取組」を早急に実施すること。③あらゆるネット上の差別に対する拡散防止、救済措置の必要性を確認し、「インターネット上の差別」の撤廃に向け「インターネットモニタリング事業」を実施すること。④差別身元調査、土地差別調査を規制する「身元調査規制条例(仮称)」を制定することを要望した。

 特に、冒頭、臼井会長から、インターネット上の差別は拡大再生産され悪化している。個人や団体からの通報も含めて現在全国的に効果が出ているモニタリング事業を実施してほしいと要望した。

 「要望」に対して仁田山人権部長は「モニタリングについては検討している。他県での実施状況を調査するとともに有識者の意見をきいているところだ。東京都という影響が大きい行政の中で課題になっていることは「表現の自由」との関係であり、都としてきちんと説明できるよう検討を進めている」とコメントし、実行委員会各団体からもそれぞれ要望の実現を訴えた。