都人権条例の実効性を求めて
人権ネットワーク・東京が都交渉


人権ネットワーク・東京と東京都人権部の交渉

 人権ネットワーク・東京は9月27日、中山都議と加藤都議の紹介で「都人権条例」の進捗状況をめぐって東京都人権部と交渉をもった。人権ネットワーク・東京からは、チャシ アン カラの会、NPO法人レインボー・アクション、在日本朝鮮人東京人権協会、障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)、障害児を普通学校へ・全国連絡会、部落解放同盟東京都連合会、解放出版社の7団体・10人が参加した。

 交渉課題は①ヘイトスピーチ対策をめぐって、「公的施設の利用基準」と「審査会」、②「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(素案)」、③インターネット上のあらゆる差別の拡散防止と人権救済に向けた方針、④東京都人権施策推進指針に明記している「17の人権課題」にかかわって「人権に関する意識調査」の実施などである。

 東京都人権部はヘイトスピーチ対策について、「条例を施行した4月以降、複数の事案について情報提供を受けた。条例に基づいて設置した審査会の議論の結果を踏まえ、必要な情報は公表していく予定である」と回答。(後日、都は10月16日に5月20日の東京都練馬区内での拡声器を使用した街頭宣伝、6月16日の東京都台東区内でのデモ行進について、条例第8条に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動に該当する表現活動であると判断し、表現活動の概要等を公表した。)

 「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(素案)」について、当事者の意見を十分踏まえることを要求し、都は「当事者の方々に寄り添い、その声を聴いていくことは重要であると認識している。全庁横断の『東京都性自認及び性的指向に関する施策推進会議』で必要に応じて当事者等を講師としてお招きするなど、様々な機会を通じてご意見を伺っていく」と答弁。

 ヘイトスピーチの実質的規制やアイヌ新法の具体化、さらにインターネット上の差別に対する対策の確立など都人権条例の理念を実質化する課題は多く、今後も当事者含めた社会運動を強めていく必要がある。