同和問題に関する都連との連絡協議会が、11月25日、都庁会議室にて開催され、東京都は中村総務局理事はじめ8部局、都連は執行委員12人が参加した。
協議会は、会長でもある中村理事及び都連長谷川委員長の挨拶を受け、都連から2015年度事業要求書の概要を、また都から2015年度事業予算の説明がされ、その後質疑に入った。
部落解放行政の基本に関わって大きな問題となった課題は、公益財団法人東京都人権啓発センターにおいて、理事・評議員の定数を半減し、当事者団体を排除するという提案がされている問題だ。この問題は、人権政策の推進は当事者の参画のもとおこなうという今日国際人権の基準にもなっている人権行政の基本に関わる問題である。であるがゆえに、都連の多くの参加者から「センター案」に対する人権部の姿勢を追及し、時代錯誤的な「センター案」に対して人権部は「人権政策は当事者団体の参画のもとおこなう必要がある」ことを確認した。
「ヤフー知恵袋差別事件、新宿区内都営住宅差別落書事件、学校リーダー育成特別講座差別助長研修事件について、関係各局の見解を求めた。特に都市整備局の「差別落書き事件を踏まえ、差別事象の引継ぎに対する対応の強化を図る」との回答は各局にも共通する課題であると指摘した。
また、「社会福祉事業従事者人権研修差別助長事件などにみられた都庁各局の部落問題研修が形骸化していた問題について、東京都は「人権・同和問題研修に関する考え方について」(部落問題研修方針)をまとめ、当事者の視点を踏まえ、差別の実態から学ぶことを基本に据えた研修をおこなっていくことを確認した。さらに、昨年東京都が実施した若者就労支援―合同面接会(ジョブ・オレ)において公正採用選考が実現されておらず、今年度の実施にあたって公正採用選考の実現に向け抜本的にシステム改善を約束したにもかかわらず、実際のところその約束が果たされていなかったことについて、産業労働局を追及した。
その他、「東京都人権施策推進指針」見直しにあたって、第67回「全人教」長野大会への参加について、2015年度就職差別解消月間の取り組みについて、東京都の認証保育制度について、それぞれ要請した。