同和問題に関する連絡協議会

インターネット版「部落地名総鑑」は深刻な 問題と答弁
ヘイトスピーチ規制も強く要求


 同和問題に関する都連との連絡協議会が4月24日、都庁会議室で開催され、都は中村総務局理事はじめ8部局、都連は執行委員12名が参加した。
 協議会は、会長でもある中村理事及び都連長谷川委員長の挨拶を受け、都から2014年度事業予算の説明がされ、その後質疑に入った。
 部落解放行政の基本に関わって、今年4月に公表された「人権に関する世論調査」の結果について、人権部は「調査結果は現在も根強く差別意識が残っていることのあらわれであり、調査結果を真摯に受け止める」とし、「いかなる差別も許さないとの認識のもと粘り強く人権教育・啓発に取り組んでいく」と答弁した。
 しかし、被差別マイノリティに対するヘイトクライム、ヘイトスピーチを規制する措置が必要ではないかという質問に対して、「ヘイトスピーチ規制は表現の自由にかかわる問題であり国の立法措置として検討されるべき」と東京都の責任を回避するような答弁がなされた。これに対して、都連は、ヘイトクライムによって被差別マイノリティは大きな被害を受けており泣き寝入りを余儀なくされている、この現実を踏まえ、日本も批准している人種差別撤廃条約の条項などを活用し何らかの規制措置をはかるべき、また東京都自身もその解決に向け取り組んだ元慶応大生の差別脅迫事件、連続大量差別はがき事件などの判決はすべて有罪であり差別犯罪であることを示していると追及した。
 インターネット版「部落地名総鑑」(ブログ名『全国部落解放協議会』)に対して、人権部は「インターネット上の差別書き込みは同和問題の解決を妨げる悪質なもの」、「同和地区に関する情報などが流布される状況は深刻な問題」とし、全国人権同和行政促進協議会を通じて法務省に削除要請を行なったと答弁。部落問題研修の形骸化が問題となっている中、人権部は「各局人権・同和問題研修実施状況調査」をおこない、その結果について、これまで部落問題研修の指針となっていた「啓発の基本的考え方」や「今後の職員研修の改善方策」におおむね沿った内容で実施されていると答弁したが、逆に、「沿った内容で実施」されているにもかかわらずなぜ形骸化したのかという問題が浮上した。人権部は調査結果の検証を重ね今後の研修に関する考え方を整理するとした。
 その他、都立高校で統一応募用紙や就職差別についての学習がほとんどの高校でおこなわれていない問題について、また、TPPの締結が皮革関連産業に与える影響に対する対策について、さらに、地区民生児童委員協議会に設置されている地域人権啓発リーダーの役割の周知徹底について、認可保育所へ移行するための支援策について要望し、それぞれ引き続き協議を重ねていくことを確認した。