差別の実態踏まえ新法の具体化を
第42回多摩地区各市町村同和問題意見交換会


 第42回多摩地区各市町村同和問題意見交換会が5月16日、福生市で開催された。

 開会にあたって幹事の福生市の加藤育男市長からあいさつがあった。都連からは長谷川三郎・都連委員長、そして宮瀧順子・国立支部長があいさつをした。

 続いて、平井明執行委員が講演を行った。約15年前に起こった連続大量差別はがき事件について詳細に報告し、犯人が西多摩地区出身・在住者だったことから、「みなさんにとって部落差別は遠い場所でのできごとではない。」と問題提起した。また、近藤登志一・都連書記長からは、「全国部落調査」復刻版出版事件について法務局に要望書を出すこと、および部落差別解消推進法について市町村のホームページを使って内容を市民に周知させることを要請した。

 各市町村からは、今年度実施予定の市民対象および職員対象の啓発事業や研修について報告があった。なお、30市町村のうち、「全国部落調査」復刻版出版事件について市町村長に内容を知らせているのは10市町村。法務局への要望を行なっているのは7市町村だった。

 最後に小島正次・国立支部書記長が「推進法ができて1年半経つが、『全国部落調査』復刻版や『部落探訪』などのインターネット上での部落の場所、姓名の暴露が止められず、解決していない。行政担当者の熱意で、戸籍等不正取得の際の本人通知や庁内報に部落問題について載せるなどの具体的な取り組みを進めてほしい。」とまとめた。