都連は、9月21日、2024年度部落解放事業要求書を東京都に提出した。
今年は国連総会で世界人権宣言が採択されてから75周年となる。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は〈「ヒューマンライツ75」イニシアティブ〉をスタートし、「一緒に、世界人権宣言を活性化し、それが私たちの時代のニーズをどのように満たすことができるかを示し、すべての人のための自由、平等、正義の約束を前進させましょう」と世界に呼び掛けている。
また、「全国部落調査」復刻版裁判控訴審判決が6月に出され、「差別されない権利」を認める画期的な判決となった。判決では、憲法13条、14条の趣旨等に鑑みると、「人は誰しも、不当な差別を受けることなく、人間としての尊厳を保ちつつ平穏な生活を送ることができる人格的な利益を有するのであって、これは法的に保護された利益である」「部落差別は本件地域の出身等であるという理由だけで不当な扱い(差別)を受けるものであるから、これが上記の人格的な利益を侵害するものであることは明らかである」と「差別されない権利」と部落差別の違法性を明確に認めた。
しかし、インターネット上では、「鳥取ループ」「示現舎」による差別煽動は約7年半野放しにされており、戸籍謄本等不正取得事件も後を絶たず部落差別は強まりを見せている。また、皮革関連産業などの部落産業は海外との競争や「新型コロナ」の影響などで依然厳しい経営を強いられている。
私たちは、こうした差別の現実と部落の状況を踏まえ、「解放行政の確立」「普及啓発と人権対策」「学校教育」「社会教育」「保育」「青年・女性対策」「企業対策」「労働対策」「環境改善と生活向上」「芝浦と場対策」の10分野において「2024年度部落解放事業要求書」を提出した。東京都は、国連人権高等弁務官事務所の呼びかけや「全国部落調査」復刻版裁判控訴審判決を踏まえ、より積極的で効果的な人権政策を確立すべきである。